2007年にニューヨークで上演され、高い評価を得たアメリカの人気劇作家サラ・ルールによる戯曲『エウリディケ』が、白井晃さん演出のもと、日本で初上演されます。主人公のエウリディケを演じるのは、水嶋凜さん。エウリディケの夫・オルフェを和田雅成さん、地下の国の王と危険でおもしろい男の二役を崎山つばささんが演じます。和田さんと崎山さんに役柄についてや本作に懸ける意気込み、さらには恒例のファッション事情をお伺いしました!!

 

―この作品にご出演したいと思った一番の決め手は何でしたか?

和田さん「僕は、ずっとご一緒したいと思っていた白井さんの演出だということでした。正直なところ、ギリシャ神話については男女の物語だという程度の知識しかなかったのですが、白井さんならばどんな作品であれぶつかっていけるだろうと思っていました」

崎山さん「僕も白井さんとご一緒できるということ、それから、これまで演じたことがないような役柄をいただけたことが大きかったです。最初、危険でおもしろい男役とだけ聞いていたので、どういうことだろうと。ニヒルな役なのかとか、いろいろと考えましたが、いずれにしろ、自分にとって新しいものが生まれる役なのではないかと楽しみでした。今回、僕は二役演じさせていただきますが、もう一つの役も地下の国の王という役どころで、演じたことがないジャンルの役なので、それも楽しみです」

 

―どちらの役も、崎山さんがどう演じるのか想像がつかないので、観客としても非常に楽しみです。

崎山さん「自分の中でも、まだ想像ができていないところもあります。もちろん演技プランもありますし、演出がどうなるか、ト書きに書いてあることを僕はどこまでできるか、自分が試されているような気もしています。稽古でいろいろなチャレンジをしていこうと思っています。実は、稽古初日にあるシーンで櫛と鏡をポケットに忍ばせて、それを出して演技をしてみたりもしたんですよ。でも、『そういうことをするより、ポケットに手を突っ込んでいる方がいい』と言われてなくなりました(笑)。そうやってチャレンジを繰り返していこうと思っています」

和田さん「そういうの、本当に素晴らしいと思う」

崎山さん「地下の国の王も、白井さんの考えとすり合わせながら、自分からも提案をしていけたらと思っています」

 

―和田さんはオルフェという役をどう演じたいと考えていますか?

和田さん「今はまだ、役を作っていく前の段階だと思うので、正直どう演じるのか、どんな人物像なのか分からない状態です。ただ、自分の人生に確実に影響がある役だなと感じています。白井さんは歩き方や体の動かし方から演出をつけてくださるんですよ。今まで、そうした演出をしていただいたことがなかったので、自分自身が大きく変わっていっているのを感じています」

 

―では、脚本を読んだ率直な感想を教えてください。

和田さん「最初は理解できないところもありました。かなり早い時期に脚本をいただいたので、それから何回も読んで、本読みのときにはほとんどのセリフが入っている状態だったのですが、実際に本読みをしてようやく自分の中にこの物語が入ってきたなと感じました。台本を自分で読んでいるときと、皆さんの声で聞くのでは全く違う感覚があったんですよ。とにかく美しい作品だなというのが第一印象です」

崎山さん「小説のようだし、絵本のようだし、戯曲的なギリシャ神話でもある。様々な要素が詰まっているけれども現代に通じるものもある。自分の役がどうというよりも、気付いたらオルフェやエウリディケの目線で読んでいて、どんどん吸い込まれていくような感覚がありました」

 

―崎山さんは白井さんの演出は2回目ですが、初めて白井さんの演出を受ける和田さんに何かアドバイスはありますか?

崎山さん「いやいや、何もないですよ。もう、いろいろを感じてるだろうし」

和田さん「あははは(笑)」

崎山さん「白井さんは、数々の舞台を演出なさっている著名な方なので、今回の『エウリディケ』もこれまで上演されてきた『エウリディケ』とはまた違う演出があると思いますが、それがどんな演出であろうと白井さんが作るものについていけば、必ず良いものになると思っています。僕は稽古が好きなので全然大丈夫なのですが、白井さんはとことん稽古をする方なので、適度にリフレッシュしてやっていただけたらと思います」

 

―和田さんは、“とことんまで行う稽古”を実際に体験してみていかがですか?

和田さん「言葉にして言うなら『疲れる』ですね」

崎山さん「稽古が終わったらぐったりするよね」

和田さん「白井さんは、たくさんの知識をお持ちで、僕が知らないことや役作りについて、それから役についてたくさんの言葉を投げてくださるので、それを今、自分の思考で受け取ろうと必死になっています。それを生かそうと思って、頭を目まぐるしく動かしながら稽古をしているので、とにかく頭を使って疲れる(笑)。ただ、それが役として生きる時間にも繋がっていると思います。白井さんが『自分の中に生まれてくるものをオルフェに乗せてくれるだけでいい』とおっしゃっていたのですが、そうすることで、僕もどんどんオルフェに近づいている感覚がありますし、そうしてオルフェを生きる時間が長ければ長いほど、舞台上に乗るものも変わってくると思います。今、それがどんどん自分の中に入ってくる感覚です」

 

―ギリシャ神話のラブストーリーというのもこれまでにない挑戦だと思いますが、この作品を通してどんな成長をしたいですか?

和田さん「成長したいということはあまり意識しないようにはしています。終わった後に嘘なく感じたものが、自分が得たものなのかなと。成長は結果論だと思うので。ですが、確実に自分の中で、白井さんをはじめとしたスタッフの皆さん、そしてこの作品に出演される役者の皆さんとご一緒したことが自分の人生の糧になると感じています。それはこの作品に限ったことではなく、どの作品でもそうですが」

崎山さん「ギリシャ神話やサラ・ルールの作品と聞くと難しいように思いますが、白井さんが1950年代の話をやるということではなく、今の若者がおじいちゃん、おばあちゃんのタンスから古着を持ってきて、それを着てオシャレをするという感覚とおっしゃっていたので、そうした感覚でいいのかなと思います。確かに、ギリシャ神話であることや、サラ・ルールの詩的な作品であるということももちろん大事ですが、それよりも今いるキャストで、白井さんの演出で、今できる舞台を作るということが一番大切なのかなと思っています」


▶︎和田雅成さん&崎山つばささんのファッション事情◀︎
―ぜひ、お二人のファッション事情についても教えてください!! まずは、今日のお衣裳のポイントは?

和田さん「ムズッ(笑)」

崎山さん「僕はありますよ。今日来たら、雅成の服がすでに決まっていたので、それと被らないように。黒ベースの服もあったんですが、そうすると重くなってしまうかなと思って、白を使ったコーディネートにしました。役柄的にも、ラフな格好よりもジャケットスタイルの方がいいかなとも思ってこれにしました」

和田さん「僕は、マネジャーさんが選びました(笑)」

崎山さん「それもこだわりポイントではあるよね、客観的目線は大事だから」

和田さん「自分で好きな服を選ぶと、似たような物ばかりになってしまうんですよ。それに、女性目線はすごく大切だなと。応援してくれている方は女性が多いので、女性の意見を聞くのが一番いいのかなと思って、いつもマネージャーに聞いています」

 

―普段はどんなファッションをされることが多いですか?

和田さん「最近は、プライベートでオシャレをする機会が本当に少なくて…」

崎山さん「稽古場を往復していることが多いから、ジャージになるよね」

 

―ファッションのこだわりや最近買ったお気に入りアイテムは何かありますか?

和田さん「時計かな。いつも着けているので」

崎山さん「あとは指輪とか靴、鞄とかかな。でも、僕は、ファッションがすごく好きで、ネットでもよく見てます。ただ、あまり流行を追いすぎると、人と被ってしまうのが嫌で。あの人が着ている、じゃあ、やめようと思っちゃうんですよ。天邪鬼なんですかね。なので、その人の良さを生かしたファッションを楽しむようにしています。ファッションひとつで気分が変わるし、人のイメージも変わるので、あまりテンションが上がらない日は買ったばかりのお気に入りの靴を履いてみたり…そういう意味でもファッションっていいなと思います」

 

―和田さんは時計にどんなこだわりがあるんですか?

和田さん「僕は、時計をご褒美として買うんですよ。今、つばさくんが気分が変わると言いましたが、僕は時計がそうです。気に入った時計を持っているだけで気分が上がりますね」

 

―ありがとうございました!! では、最後に、お二人が輝き続けるためにしていることを教えてください!!

和田さん「えー、これもまた難しい質問(笑)」

崎山さん「めっちゃくちゃかっこいいこと言っていい?」

 

―ぜひお願いします!!

崎山さん「人間ドック!!」

和田さん「リアルだ(笑)」

崎山さん「体が資本ですから。さっきもマネジャーと『こういう検査があるよ』なんて話をしてました(笑)。食事もそうですが、自分の体はケアしないと。輝き続けるというよりは、この仕事を続けるための大事なものだと思います」

和田さん「確かに、それでしかない(笑)。つばさくん、人間ドック行ってるんですか?」

崎山さん「行ってる、行ってる」

和田さん「毎年?やっぱり行った方がいいよなあ」

崎山さん「毎年。ちょっとかっこいいこと言っちゃって、すみません(笑)」

 

―和田さんはいかがですか?

和田さん「ちょっとかっこいいこと言っていいですか?」

崎山さん「おっ、来た(笑)」

和田さん「人間ドックです(笑)」

崎山さん「一緒じゃん!(笑)」

和田さん「僕、行ったことなくて」

崎山さん「絶対、行った方がいいよ」

和田さん「でも、去年(2023年)めちゃくちゃ体調を崩した時期があったんですよ。それまで風邪を引くこともほとんどなかったのに、なぜか去年は何回か体調を崩して…。でも、そうしたことは関係なく、人間ドックは行った方がいいですよね。あとはなんだろう、輝き続けるためにしていること…。好きなことをやり続けることじゃないですか? 僕、今、好きで役者をやっていて、お客さまに応援していただいているから、自分が日々かっこよくなっているのが分かるんですよ。自分で言うのもなんですが(笑)。昔と今では顔つきが全然違うんです。それは、お客さまが僕を輝かせてくれているんだと思います。応援してもらうためにも、この仕事を続けて、好きなことをやり続けなければと思うので、好きなことを続けることが輝くことにつながるのかなと思います」

 

【profile】
和田雅成/Masanari wada
1991年9月5日生まれ、大阪府出身。

主な出演に、舞台『刀剣乱舞』、ミュージカル『ヴィンチェンツォ』などのほか、MX「その結婚、正気ですか?」、日本テレビ「あいつが上手で下手が僕で」シリーズ、MBS「REAL⇔FAKE」シリーズなど映像作品でも活躍。
■公式ホームページ
https://wadamasanari.com/
■公式X
@masanari6

 

崎山つばさ/Tsubasa Sakiyama
1989年11月3日生まれ、千葉県出身。

主な出演に、ミュージカル『刀剣乱舞』、舞台『幽☆遊☆白書』、舞台『サンソンールイ16世の首を刎ねた男ー』明治座創業150周年記念舞台『赤ひげ』、舞台『怖い絵』、『遺留捜査』『科捜研の女』『仮面ライダーギーツ』など。
■公式ホームページ
https://tsubasa-sakiyama.net/
■公式Instagram
@sakiyamaofficial
■公式X
@tsubasa_skym

photo:Hirofumi Miyata/styling: Yoshiaki Takayama/Hair&make-up: Naho Imazu/interview&text:Maki Shimada


【公演概要】
■タイトル
舞台『エウリディケ』
■日程・会場
東京公演:2024年2月4日(日)~2月18日(日) 世田谷パブリックシアター
大阪公演:2024年2月24日(土)・2月25日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
■作 サラ・ルール
■演出 白井晃
■翻訳 小宮山智津子
■音楽 林正樹
■出演
水嶋凜 和田雅成/櫻井章喜 有川マコト 斉藤悠/崎山つばさ 栗原英雄
■公式ホームページ
https://eurydice-stage.com/

(2024,01,19)

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下記のリンクからご覧いただけます!!

https://www.instagram.com/noriem_press/