男性史上最年少でOMS戯曲賞を受賞し、映像分野での活躍も始まるなど、関西演劇界で注目を浴びる福谷圭祐さん(匿名劇壇)による戯曲を、オクイシュージさんによって大胆かつ繊細な演出で舞台化する『笑わせんな』が、2024年2月8日(木)から下北沢の本多劇場で上演されます。

物語の舞台は、とある美容室で開催されている社会人サークル。そこには、「くすぐり、くすぐられる」ことで快楽を得るという癖を持つ人々が集まっていました。今作では、「くすぐり、くすぐられる」ために集う人たちの、満たされることのない、愚かで哀しい心の暗部を、ポップな笑いで軽やかに描きます。主人公の美容師でサークルの主催者・藤原を演じるのは浜中文一さん。さらに、山下リオさん、鳥越裕貴さん、松島庄汰さんなど、豪華なキャストが集結します。

今回、NorieMでは、田中みゆを演じる佐藤日向さんにインタビュー。本作への意気込みや自身の演じる役柄について、さらにはファッションについてもお伺いしました!!

 

―最初に、この作品のお話を聞いたときのお気持ちを聞かせてください。

普段は、声優のお仕事をたくさんしていて、ストレートプレイに出演させていただく機会があまりないので、とても嬉しかったです。しかも、今回は初共演の方ばかりなので、どんなお稽古になるのか、どんな本番を迎えられるのかとても楽しみです。

 

―脚本を読んで、本作のどんなところに魅力を感じましたか?

美容室を舞台にお話が繰り広げられていくのですが、限定された空間でのお芝居なので、お客さんは会話に集中するしかないという状況が作られています。だからこそ、それぞれが持つポテンシャルや間(ま)、センス、テンポの良し悪しが目立つお芝居だと感じました。お客さんにとっては、笑えるシーンもシリアスな展開もあるのでとても見応えのある作品になると思いますが、私たちは緊張感を持ちながらお芝居をやらなければいけないなと思います。

 

―佐藤さんが演じる田中みゆというキャラクターについては今、どのように感じていますか?

これまで私が演じてきた役は、高校生や思春期の悩んでいる女の子が多かったのですが、今回は実年齢に近い女の子です。なので、等身大で演じたいと思います。セリフだけを見ると強気ですし、「田舎っぽい、ヤンキー」にみられがちですが、実はそれは彼女にとっての“武装”で、本当の彼女は女の子らしいんだろうなという印象があります。

 

―そんなみゆを演じる上では、どんなところがポイントですか?

一見、言葉遣いが荒かったり、強い言葉が多かったりしますが、彼女は誰よりも繊細な部分や傷つきやすさを隠し持っているので、それを表情などで出せたらいいなと思います。

 

―演出のオクイさんとは何かお話されましたか?

ビジュアル撮影の時にいらしてくださっていましたが、「鍋に春菊入れますか?」という、作品とは関係ないは会話だけはしました(笑)。

 

―あはは(笑)。では、作品についてのお話はこれからですね。共演者の方々も初共演の方ばかりなのですよね。

山下さんは映像作品でもお見かけする機会が多かったので、ご一緒できるのがすごく嬉しいです。目線の使い方も素晴らしくて、観ていると思わず感情移入してしまうお芝居をされる方なので、お芝居で絡んだ時に山下さんのお芝居を受けて自分自身がどう感じるのか、本当に楽しみにしています。

 

―先ほど、ストレートプレイに出演する機会があまりないとおっしゃっていましたが、ストレートプレイや会話劇に対する意気込みも教えてください。

最近は朗読劇に出演させていただく機会が多かったのですが、朗読劇は声優のアフレコと舞台のちょうど間の存在という気がします。朗読劇は生で、その場で演じるリアル感がありながらも、台本を持ってのお芝居ですが、今回は舞台として、みゆちゃんという女の子になって舞台上で生きます。久しぶりにアニメキャラクターを通さず舞台の上に立つので、ソワソワしそうです(笑)。自分自身と向き合いながら、座組みの皆さんと一緒にコミュニケーション取りながらお芝居を作っていくと思うので、より繊細に演じたいと思います。

 

―声だけのお芝居と、普通のお芝居は演じる上での違いはありますか?

演じるという部分ではそれほど違いはないと思いますが、頭を使うところが違うんだと私は思っています。アフレコでは、より言葉を繊細に扱っているように思います。自分の顔や動きを通して伝えることができず、声だけで伝えなければいけないので、画面にいる人がどう動いているのかを大切に演じています。「どこでどう感情を込めたいか」ということをより明確に一言一言に込めているのが、アフレコです。舞台の場合は、言葉のキャッチボールがより大切になる分、より柔軟に、ライブ感を持って演じたいですし、それこそが舞台ならではの生の良さなのかなと思います。

 

―劇中には、「くすぐり、くすぐられる」いうサークルが登場しますが、佐藤さんはちょっと変わっているなとご自分で思う癖はありますか?

子どもの頃から自分の眉毛を触るのがすごく好きなんですよ。なので、寝る前に眉毛を触って寝てます(笑)。もしかしたら、犬を撫でているのと同じ感覚なのかもしれません。自分の眉毛にダックスフンドがいる、みたいな(笑)。

 

―では、作品のタイトル「笑わせんな」にちなんで、佐藤さんが1番笑える、笑顔になれる瞬間は?

信頼できる人と一緒にいる時に起こった、突発的な出来事かな。なんで笑ったのか思い出せないくらいの理由だと思うのですが、とにかく笑ったなと記憶に残ることはよくあります。仲の良い声優の小泉萌香ちゃんとは一緒にラジオをやっているのですが、収録中、何で笑ったのか覚えていないのに、ゲラゲラ笑っていた記憶だけはあるんですよ。収録時間も30分と言われているのに、5、60分もかかってしまうくらいずっと話し続けています。

 

―2024年の目標は?

2023年は個人的にはあまりいい年ではなかったんですよ。誰かが食べ終わったお弁当を間違えて持って帰ったり、誰かが飲み終わったチョコラBBがずっと冷蔵庫に置いてあったり、そんなことばかり起きていたので、今年はそうしたことが起こらないように、日々、気を付けて生きていきたいなって思います。

 

―最後に、改めて作品に向けての意気込みや、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

この作品のキャラクターたちは、年齢も仕事も住んでいるところもバラバラですし、癖以外は共通点がない人たちが集まった舞台なのです。さまざまな人間が登場する中での嫌悪感を抱くようなセリフや刺さる言葉がきっとあると思います。それを観て、どう感じていただけるかはそれぞれだと思うので、ぜひ劇場を感じてみてもらえればと思います。


▶︎佐藤日向さんのファッションチェック◀︎
―今日のお衣裳のポイントは?

jouetie(ジュエティ)というブランドのワンピースなのですが、実はこの服の色違いを着ている声優さんに、私は5人会いました(笑)。それくらいjouetieは被ります。

 

―声優業界では特に人気が高いブランドなんですね。

新作が出ると誰かが買っていることが多いと思います。カラーバリエーションも豊富なので、柄は同じでも色が違うものを着ているということが多いですね。

 

―今日のファッションもご自身でコーディネートされているということですが、普段はどんなファッションがお好きなんですか?

こういうお仕事をしていると、Blu-rayやCDのお渡し会があったり、トークイベントがあったりと、人前に出る機会が多いのですが、そういう時は、自分で用意することが多いんです。私は、ワンピースを選びがちなのですが、EATMEというブランドはシックなものが多くて大好きです。色味も黒が好きなのですが、人前に出るのに黒だと暗くなってしまうので、なるべく明るいものを選ぼうとは思っています。

 

―お洋服を選ぶ時のこだわりは、色味以外にもありますか?

骨格にあった服ということかな。例えば、マーメイド型のスカートは、可愛いものがあっても骨格に合わないので避けますし、試着してから買うようにしています。

 

―最近買ったお気に入りアイテムは?

私、ドクターマーチンがすごく好きで、マーチンの靴を「育てる」と言って、どんどん増えていっています(笑)。最近もマーチンのブーツを買ったんですよ。人の顔のイラストがたくさん書いてあるデザインで、他のブーツのブランドにはあまりないなと思って。

 

―マイブームを教えてください。

麻雀です。知り合いの女の子に「ジャン卓を買ったから、一緒に麻雀をやろう。1から全て教える」と誘われて、その人以外全員が初心者の女の子で、教えてもらいながらやりました。それからは、麻雀のアプリでプレイしていますが、ゆくゆくは、4人できちんと対戦したいですね。

 

―疲れた時、ストレスが溜まった時の癒しやリラックス法は?

そういう時は、いつもと景色を変えたいので、母と犬と一緒にどこかに旅行に行きます。あとは、最近、「地球の歩き方 東京23区」というガイドブックを買ったので、都内を散策することにもハマっています。まだまだ知らないスポットがたくさん載っているんですよ。都内でもこんなにもリフレッシュできる場所があるんだなと楽しいです。

 

―佐藤さんが、素敵で居続けるために、輝き続けるためにしている秘訣を教えてください。

自分自身を常にアップデートしていかないと何も変わらない人になってしまうし、それはつまらないことだと思うので、学ぶことをやめないというのが1番かなと思います。例えば読書にしても、自分が普段は読まないジャンルを読んでみるというのも学びの1つ。誰かの芝居を観て学ばせていただくということもそうですが、自分の学ぼうという意欲を無視しない。それを大切にしていきたいです。

 

【profile】
佐藤日向/Hinata Sato
1998年12月23日生まれ。新潟県出身。
2010年4月から2014年4月まで”さくら学院”メンバーとして活動。その後テレビアニメ「くつだる。」の柄沢りん役で声優デビュー。2016年にはテレビアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』(TOKYO MXなど)鹿角理亞役、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』星見純那役(2017年)、『ウマ娘』ケイエスミラクル役を務める。近年の主な出演舞台作品は、舞台『SEPT A Story of ReAnimation: ReverSing』(2022年)、舞台『LIAR GAME murder mystery』、舞台『セトウツミ』、舞台『アキバ冥途戦争』 (2023年)。2024年3月には『LoveLive! Series Presents ユニット甲子園 2024』への出演が控えている。

■公式Instagram
https://www.instagram.com/sato._.hinata/
■公式X
https://twitter.com/satohina1223/

photo:Hirofumi Miyata/interview&text:Maki Shimada


【公演概要】
■タイトル
舞台『笑わせんな』※2024年度下北沢演劇祭参加作品

■日程・会場
東京公演:2024年2月8日(木)~2月18日(日) 本多劇場

■脚本 福谷圭祐

■演出 オクイシュージ
■劇場  本多劇場

■出演
浜中文一 山下リオ 鳥越裕貴 松島庄汰 岐洲匠 佐藤日向 松原由希子 福井夏/辻本耕志 久ヶ沢徹 入江雅人

■公式ホームページ
https://mmj-pro.co.jp/warawasenna/

(2024,02, 07)

#NorieM #NorieMmagazine #ノリエム #佐藤日向 さん #笑わせんな

CHECK!!

▶️佐藤日向 さん の撮影アザーカット&コメント動画をNorieM shop&magazineのInstagramで公開します!!

下記のリンクからご覧いただけます!!お見逃しなく!!

https://www.instagram.com/noriem_press/